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取材記事

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産経新聞記事

口のなかにいるミュータンス菌などの虫歯菌は、糖分を食べながら、歯垢の中に酸を作り、歯のカルシウムを溶かす。
一方、唾液には、カルシウムを補給する働きがあるが、間に合わなくなると、穴が開き、虫歯なる。
つまり虫歯菌が多く、歯垢があって、唾液の量が少ない人は虫歯になりやすい。

「削らない歯科治療」を標榜し、昭和52年の開業以来、予防診療に力を入れてきた国際ビル歯科(東京・丸の内)の相楽俊男院長は「歯を削り、詰め物をすることで、虫歯になるリスクは逆に高くなる」という。
「歯にぴったりと合っていない詰め物では、セメントが溶け出すなどして虫歯になる可能性が高くなる」からだ。

日本歯科人間ドック学会常任理事でもある相楽院長は「歯科と本人の二人三脚で、虫歯は百パーセント予防できる」とし、平成11年に診療所横に「丸の内健口センター」を開設した。
保険対象外の自由診療のため、1時間1万2000円と安くはない料金だが、利用者は増え続け、現在、1600人が通う。

相楽院長が20年以上にわたり予防診療を続ける80代の患者6人の平均残存歯数は24本で、全国平均の9.8本(厚生労働省、平成17年推計値)を大きく上回る。
また、6歳から通った30歳の男性は虫歯ゼロだ。

予防診療では、まず口腔内のミュータンス菌など虫歯菌の数や唾液の量を調査し、虫歯のなりやすさを点数化する。
次に、個人にあった歯磨きの仕方を徹底的に指導する。歯磨き法をマスターするまでに、半年かかる人がおお胃が、安定した状態になれば、年2、3回の磨き方チェックと、歯科衛生士によるクリーニングを受ける。

6年前から通院する千葉県船橋市のM・Kさんは「それまでは3年ごとに、どこかの歯が悪くなっていた。でもここに来てからは、一度も悪くならない」と満足そう。
寝る前には約20分かけて、丁寧に歯を磨くというM・Kさんの口を見ると、歯ぐきは健康そうなピンク。実年齢よりもかなり若く見える。

花王のアンケート調査では、口腔ケアに気を使う人は近年増加傾向。毎日の歯磨きの平均回数は8年の2.2回から16年は2.5回に増え、夜の歯磨き平均時間は3.3分から4.3分に伸びている。しかし、ネバネバが気になるなど「口の中が不快」と答える人は50代の女性で75%にものぼり、口腔内の悩みを持つ人は高齢になるほど増えているのが現状だ。

学術団体「日本フィンランドむし歯予防研究会」によると「虫歯の原因となる歯垢を減らすには、毎食後にキシリトール入りのガムをかむのが効果的」という。キシリトールとは、糖アルコールと呼ばれる炭水化物の一種。虫歯菌のミュータンス菌は、キシリトールを取り込むが、エネルギー源にできない。
そのため、キシリトールの取り込みを繰り返すうちに弱り、やがて数が減っていく。

また「歯を強くするには、フッ素入り歯磨きによるブラッシングが効果的」だ。
自分ではとれない汚れは年に2、3回、歯科衛生士による特殊な器具を使った歯のクリーニング(PMTC)を受けるといい。
歯科医院によって保険診療と自由診療(1時間5000円〜8000円程度)があるが、全国的に少しずつ広がっているという。

同研究会は「昔は、虫歯ができると磨き方が悪いと言われましたが、自分だけでは百パーセントの歯垢は落とせません。キシリトールやフッ素を効果的に使いながら、自分の弱いポイントを知り、状態にあった歯磨き指導をしてくれる歯医者さんを見つけて下さい」とアドバイスしている。