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取材記事

「歯科人間ドッグ」をご存知ですか?
目標は生活習慣病や老化の防止
(ばらんす 6月号より)

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指導/国際ビル歯科 日本歯科人間ドッグ学会 常任理事 相良俊男
自分の歯をなくさないよう口の中の健康を心がけて、しっかり噛むようにすれば、生活習慣病や老化の予防にも大きな効果があることが、近年の研究でわかってきました。
そうした背景から、5年前に生まれたのが歯科人間ドッグです。

治療が必要な歯を見つける従来の歯科検診とは大きく違い、今ある歯を、“治療なしで”一生残すにはどうしたらいいか、個々に違う口の中の状態を詳しく調べて、受診者にとって最善の予防法をアドバイスします。
「削られる、痛い!」という歯科のイメージを、ぬぐい去るねらいもあるのです。

老化で歯がぬける・・・は間違い
病気を防げば一生使える

「年を取ったら歯が抜けていくのは、老化現象だから仕方ない」
・・・世間にはそんな間違った常識が根強く残っているようです。「歯は老化で抜けることはない」が正解なのです。ほとんどの人は、虫歯か歯周病、あるいはその両方の繰り返しで歯を失っていきます。
この二つの病気を予防すれば、いつまでも自分の歯を使い続けて、楽しく一生を送ることができます。
それは決して難しいことではありません。


痛くなる前に歯科へ行き
体質に合った予防法を知る

「歯が痛くなったから歯科に行く」のではなく、自覚症状がないうちに受診して、口の中を詳しくチェックしてもらい、体質に合った予防法を実行すればいいのです。こうした「予防歯科」に力を入れている歯科医師によって、1998年に日本歯科人間ドッグ学会が設立され、翌年にはドッグの標準メニューも作られました。
「口の中の健康状態は全身の病気と密接な関係がある」という視点から、歯だけでなく人間そのものを診ることを重視して、名称も歯科人間ドッグとされました。全国で114のドッグが学会に登録されています。
学会の推進役、相良俊男院長の国際ビル歯科では、歯科の診療室とは別の「丸の内健口センター」を設けています。治療に伴う痛いイメージを、受診者に感じさせない配慮です。


ふるい分けの基本メニュー
こんなところに特色が・・・

基本ドッグ(2万円/約1時間15分)の流れは別項の通りですが、特色の一つは2番目のカウンセリングです。歯科診療の正しい受け方、健康を守る予防歯科の重要性などを伝え、「痛くなったら削る」という誤った歯科治療を改めれば、精神的にも明るい将来が期待できることを、受診者に理解してもらうのです。

口臭チェックも、基本メニューに入っています。まだ普及段階にある歯科人間ドッグを、進んで受診する人は、平均より高い健康意識の持ち主で、失った歯の数も少ないのに、意外にも強い口臭を持つ人が多いのです。口臭の一番の原因となる歯周病は、かなり進行するまで症状あ現れず、ブラッシングをしているだけでは防げないことを証明しています。
口臭は自覚がないので、対人関係のマイナス要素になる恐れがあります。
並行して行なう唾液検査では、虫歯菌の検査のほか、唾液の量やネバつき具合、緩衝能検査で細菌への抵抗力の強さを調べます。体質の個人差がわかる検査です。歯周病などによる潜血の有無も調べます。


基本ドッグの流れ
エックス線検査
カウンセリング
口臭検査と唾液検査
口腔内検査
歯と歯周組織の検査
歯科医師の診察
ブラッシングの指導
簡単な歯のクリーニング
健診結果の説明


テレビ画面で細菌がうごめく
ショック与える顕微鏡検査

口腔内検査では、歯並び、噛み合わせのほか、口の開き具合、舌や粘膜の異常などを詳しく調べ、がんや腫瘍、白血病など、重い全身疾患による症状もチェックします。
こうした基本メニューのほかに、いくつかのオプションも用意されています。その中で受診者に強い衝撃を与えるのが、顕微鏡検査(2千円)です。歯茎から採った歯垢をその場で顕微鏡にセットし、拡大された画像をテレビモニターで見せます。そこにはいくつもの細菌が映し出され、じっとしているのが虫歯菌で、元気よく動き回っているのが歯周病菌です。自分の口の中の、気味が悪い現状を直視すると、ほとんどの人が「何とかしなくちゃ」と真剣に考えるようです。


最新科学の予防プログラムで
「異常なし」を持続させる

治療の必要があるかどうか、ふるい分けをするのが基本メニューで、異常がなければドッグの検査は終わりですが、大事なのはその後のケアです。治療の必要がない人でも、せっかくのいい状態を保って、歯を失わないようにするには、専門家による定期的なチェックが欠かせません。
国際ビル歯科では、希望者に独自のプログラムを作成、病気を完全に閉め出すケアを定期的に行なっています。
スウェーデンの歯科医アクセルソン博士が提唱する新しいケアの方法で、専用の機材を使い、従来の「ブラッシングをして歯垢を取る」予防法では、どうしても取りきれない部分(歯の間、歯肉の下など)の歯垢を敢然に除去するなど、虫歯や歯周病の予防と根本的な治療を実現しているのです。


8020運動の現実は8005
古い予防法は長寿社会に合わない

相良院長は自信を込めてこう語っています。
「歯科検診を受けて、ブラッシングを指導され、ときどき歯石を取ってもらい、それでも歯を削られ抜かれて、亡くなる時はほとんどの方が総入れ歯・・・というのが現状です。スウェーデンなど北欧の歯科先進国と比べて予防法が古く、長寿社会にそぐわなくなっているのです。
自分の歯を80歳で20本残そうという、8020運動の現実は5〜6本ですが、科学的な予防法を取り入れれば80歳で28本も可能です。必ず実現できます。
私のところでは予防診療に26年間取り組んで、すでに虫歯の撲滅宣言をしました」