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取材記事

体最新歯科医療がわかる 特選 歯科事典
(Yomiuri Weekly 2003年1月19日号より)

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■体質に合った予防法を助言

【歯科人間ドック】

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小学校で行われている学校歯科検診。虫歯が見つかると「要治療」の書類が手渡され、後日、ちゃんと歯科医に行かないと先生に怒られてしまう。
 歯科人間ドックをそうした学校歯科検診の延長と考えたら、間違いだ。日本歯科人間ドック学会の常任理事で、国際ビル歯科の相良俊男院長は、
「歯科人間ドックは、一生、歯を削らずに健康に過ごすことを目指すために行われる検診です。虫歯にしない効果の高い予防医療を知ってもらう入り口と考えています。 ですから、削るべき虫歯を見つけるのを目的にしている従来の歯科検診とは百八十度違います」
と話す。
 単なる「歯科ドック」ではなく、「人間」を入れたのも意味がある、という。
「きれいな口と歯を保ち、よくかむことが、がんや脳梗塞、心筋梗塞など大きな疾患の予防になることが証明されてきています。身体の健康と口は切り離せないのです」(相良院長)
 国際ビル歯科の歯科人間ドックは、1時間15分。下図のような流れで虫歯、歯周病、かみ合わせ、口臭、口腔がんについて、検査、診察が行われる。検査の合間にカウンセリングが入り、歯科医にかかる際の心構え、予防医療の重要性などの説明がある。

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舌の上からミュータンス菌を採取し、3-4日培養。菌の多さがわかる。

虫歯の有無だけではなく、将来的に虫歯になりやすい体質か否かを調べるためのリスク検査が組み込まれている。こうした点にも、歯科人間ドックの考え方が反映されているのだ。
 リスク検査は、唾液検査と虫歯菌検査の二つ。唾液の分泌量が多く、口腔内の酸性値が低ければ、虫歯になりにくい。また、虫歯菌は文字通り、虫歯の原因菌で、少ないほど「安全」とされる。
「検診結果は従来、悪い所ばかりが強調されてきたわけですが、歯科人間ドックでは、『悪くならないように予防していけば、将来、こんなに歯が残る』と説明しています」(相良院長)
 検診後に、予防プログラムや治療に進むことも可能。「敵(虫歯菌)を知り己(自分の口腔内の傾向)を知らば再戦危うからず」。歯科医とニ人三脚で8020(はちまるにいまる=80歳20本の歯を残す)を目指してみてはいかがだろうか。

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結果から人の体質に合った予防法をアドバイス

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『メモ』

 国際ビル歯科の歯科人間ドックの料金は2万円。日本歯科人間ドック学会では、総合的な検診サービスを行なっている歯科医院の登録を進めている。現在、登録歯科医療機関は70数カ所。同学会のウェッブサイトでドック実施施設を知ることができる。
日本歯科学会ドック学会 http://www.JDdock.net/

■ブタの成分が歯周組織を再生

【エムドゲイン】

歯を支える土台の歯周組織が失われていく歯周病。エムドゲインはスウェーデンの製薬会社が開発した薬で、無くなった歯周組織の再生を促す効果がある、という。
 前出の相良院長が、こう説明する。
「従来の歯周病の治療は、病状の進行を止めるのがゴールでした。しかし、これでは再発すると結果的に抜けてしまうことがある。エムドゲインによって、歯周組識が再生する可能性が出てきたのは患者にとって福音だといえます」
エムドゲインは、ブタの歯のもとになる組織から取り出したタンパク質が主な成分。手術で歯の根を露出させ、エムドゲインを歯根に塗ることで、歯周組織の再生を促す。
 歯周組織の再生手術としては、歯肉の中に特殊な膜を入れてすき間を確保し、再生を促すGTR法もある。ただ、再生した組織はエムドゲインを使った方法のほうが、自然に近いのだという。
「先進的な治療法のエムドゲインですが、毎日のブラッシングなど基本的な治療をやっていこうという気持ちも伴わないで、エムドゲインを使っても、うまくいかないでしょう。手術後のアフターケアを歯科医とともに協力してやってもらうことも必要です」

(相良院長)

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『メモ』

 エムドゲインは2001年12月に、国内の歯科医師向けの販売が認可されたが、医療保険は適用外だ。診療費は大学病院などでは1歯当たり3万円程度。一般のクリニックでは3万円から10万円以上。