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取材記事

虫歯予防へ口の中チェック
だ液の質・量を改善 ──初期なら削らず治せる
(1999年5月10日(月)発行 読売新聞より)
◆「脱灰」と「再石灰化」

「初期の虫歯なら、決して削ったりしません。だ液の働きを助長するよう、口の中の環境を整えることで。治すことができます」。国際ビル歯科(東京・千代田区)院長の相良俊男さん(52)は、こう断言する。いったん虫歯になれば元には戻らないから早く見つけて削るというのが、以前の虫歯治療の"常識"。これを覆えしたのが、「再石灰化」のメカニズムに基づく治療だ。

 口の中では、酸によって歯からカルシウムやリンが溶け出す「脱灰」という現象と、溶け出した成分が歯に沈着する「再石灰化」という現象が繰り返されている。虫歯菌であるミュータンス菌やラクトバチラス菌の作りだす酸によって、バランスが脱灰方向へ崩れると虫歯が進行する。
 そこで、相良さんが勧めるおが、酸を中和する働きをする、だ液の検査だ。

 食べ物をかんだ際に分泌される「機能だ液」の量が少ない人や、酸への中和作用の強さを示す「だ液緩衝能」が低い人は、それだけ虫歯になる危険性が高い。だ液には個人差があり、加齢や服薬も不足につながる。

 だ液検査は菌の量も調べる。「ラクトバチラス菌の多い人は、始終あめ玉を口にしたり、菓子をつまんだりする、だらだら食いの癖がある」(相良さん)と、食生活の問題点も分かる。だらだら食いでは、口の中が中和される時間がない。糖分の摂取は、量だけではなく、取り方が問題というわけだ。

 だ液検査は保険診療の対象ではないため、検査の項目によって5千円から2万円ぐらいの費用がかかる。